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The Ash Tray                     花曇り

若宮の詩集


 
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Category: 雨に似た身体  

雨に似た身体

第2話 霊地


一際口数の少ない男

三日前にカウンターの二つ隣で一人飲んでいた男

この霊地という男もこのパーティーに参加していた

十人いるパーティーに参加しているメンバーの中で唯一面識のある男だった

後は初対面でパーティーの主役である唯一の女性桃地、そしていずれも年上の東山、久家、三宅、大島、その他という面々だった

居心地の悪い空間

それが最初の印象だった

「霊地くん、久しぶりだね、椎名林檎の曲どうだった?」

彼と出会った日の三日前新たなアルバムが発売されたばかりで共通の話題は唯一それだけだった

「一つ一つ違う色が出ていてよかったと思います」
と蚊の鳴くようなか細い声で言った

彼の髪は黒く前髪は顔の長さほどあり真ん中から分けられている
体型も細く少し髭が生えめがねをかけていた

いわばオタク系とでも言おうか

同人誌やフィギュアにももちろん詳しいが人間関係が嫌いと言う訳でもなさそうだ

ある程度話し性欲の話になった
彼は24歳で彼女がいるらしい

「ネクロフィリア、知ってますか」

今度は少し声を張っていたようだがそれでも蚊の羽音のように細く頼りない声だった

「知ってるよ、死体にフェテシズムを感じる性癖の事だろう」
と簡素にかつ的確に答えた

「そうです、それについてどう思いますか」
身を乗り出し霊地が問い正してきた

自分はサディスティックな性癖を持っているが死体にはそこまで興味はない
「そこまで興味はないかな」

「そこまで?」

霊地は聞き返しこういった
「という事はまったく興味がない訳でもないんですね」

確かに少しは興味があるし感情を持たない動かない身体をめちゃくちゃにしてみたいと言う願望もあった

しかしこの世界でそんな性癖を持つ事自体実現不可能であり実現は倫理的、法律的にも困難である

彼は死体に興味があるのだろうか
もしくはオタク的知識欲があり聞いてきただけなのだろうか

確かにお互い酔っ払ってはいたが会話が縺れるほどではない

つまりは冷静にネクロフィリアについて討論を始めた訳だ
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Author:shogo wakamiya
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